お願いだから、好きって言って。

「来週の林間学校の班決めをしてもらう。今から、女子三人、男子三人の班をつくってくれ」

 先生がそう言うなり、みんなはザワザワと立ち上がり始める。


 三人……
 自分から一緒に組もう。なんて、とても言いづらい。


 綾瀬さんと相良さんは……


「あ……」


 佐藤くんと篠塚くんに声掛けてる。
 ってことは、私がいたら邪魔になる……かも。


 ――でも、他に入れてくれそうなとこ……




「双葉さん、1人?」


 キョロキョロと辺りを見渡していたら、後ろから声をかけられ、振り返る。


 大きな、クリっとした丸目が特徴的な男子……名前はえっと……

「俺、雪崎。もしかしてだけど双葉さん組む人決まってない?」
「雪崎くん……。うん、まだ決まってない……」


 突然話しかけられ、戸惑いながらそう返すと、雪崎くんは「ふーん」と頷いた。



 女子みたいな可愛い顔してる……。
 目おっきいし、茶色に染めた髪の毛はサラサラ……



 なんで、この学校ってこんなに顔面偏差値高いんだろう。


< 53 / 177 >

この作品をシェア

pagetop