お願いだから、好きって言って。
そんなことを冷静に考えていると、綾瀬さんが私の腕をとる。
「ちょ、雪崎! なに双葉サンのこと口説いてるの?!」
「別にー? そういうのじゃないけど、組む人いないみたいだから声掛けたんだよね」
「え、双葉サン、そうなの?」
ムッとしながら雪崎さんと話していた綾瀬さんは、こちらを向いて首を傾げた。
「う、うん……私、友達いないから……」
「あたしがいるじゃん! ちょうど一人ずつ空いてるから、二人ともこっち来なよ! ね、花恵」
綾瀬さんが突然相良さんに話を振ると、花恵さんはビクッとした後、驚いたように口を開いた。
「え゛……あ、うん……そだね」
「ほら、二人とも遠慮しないで!」
そうは言われても……
相良さんは私がいても気まずくないのかな?
あんまり気にしてないみたいだけど……
「んー、じゃあお邪魔しよっかな。双葉さんもね」
「え……うん。ありがとう……!」
綾瀬さんたちと一緒に、佐藤くんや篠塚くんのいる方へ向かうと、私に気付いたのか、佐藤くんはこちらに視線を向けた。
「あれ、双葉さん? と……雪崎?」
「綾瀬が誘ってくれたから俺たちも入れてもらうことになった」
雪崎くんは嬉しそうに、小さくピースサインをした。