お願いだから、好きって言って。
予想外の人と再会し、高校生活初っ端から、いじめられていたことをバラされる危険を感じたけど……
相手が相手だし、私のことを知らない人で安心した。
「よろしく」
少し高めの爽やかな声が聞こえた。
声の方に視線を送ると、佐藤くんと目が合った。
初めて話しかけられた……
私なんて視界に入ることないと思っていたのに。
「はじめ、まして……」
ぎこちなく返事をしてしまい、後悔する。
高校では明るく過ごしたい、なんて思っていたのに……
まともに顔も見れないなんて。