お願いだから、好きって言って。

 たしかに、考えてみれば納得はいく。

 雪崎くんが私に声をかけたのだって、私が相良さんのグループでお昼ご飯を食べてるから、一緒に班になれるかもって思ってたからかもしれない……


 雪崎くんが相良さんを……


 って、私の班……恋愛関係ごちゃごちゃしすぎじゃない……?


 綾瀬さんは篠塚くんが好きで……

 私と相良さんは佐藤くんが好きで、雪崎くんは相良さんが好き……


 下手な昼ドラよりもドロドロしてるよこれ……



「なに考え込んでんの?」


 佐藤くんが心配そうに問いかけてくる。


 あの日以降、なんだか少し気まずくて会話をしなかったから、佐藤くんと話すのは久しぶりで……緊張してしまう。


「あ……えっと……雪崎くんって、相良さんのこと好きなのかな……?」



 コソ、と佐藤くんにしか聞こえないくらいの小声で聞く。


「……そんなに気になんの?」


 っていうか、こういう青春みたいな恋バナをするのは初めてだから……すごく気になる。


 小さく頷くと、佐藤くんはムスッと私から目を逸らした。


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