お願いだから、好きって言って。
˚✩* 消えない想いは交差する ˚✩*
最後まで佐藤くんの顔を見ることはできず、俯いたまま部屋へと走る。
これ以上泣いているみっともない姿をみられたくない。
……これ以上、困らせたくない。
なんて、走りながら考えていると……
「きゃ……ッ」
正面からなにかにぶつかり、視界が真っ暗になる。
慌てて離れると、そこには相良さんがいた。
「え……双葉さん? って、なんで泣いてんの……」
あ……
なんて言えばいいんだろう……
「私ッ……ちゃんと、振られてきた……から。だから、安心して……」
"振られてきた"という事実を口にすると、また涙が溢れ出す。
そんな私に困惑したように言葉を失う相良さん。
「あの、双葉さん……」
相良さんが、意を決したように口を開いた瞬間……
「なに、してんの……2人とも」
綾瀬さんは、廊下の角を曲がってくるなり、心配そうに私たちを交互に見た。