お願いだから、好きって言って。


「あの……」


 なんて言えばいい? 


 騙したの? って問いただす? 責める……?


 今更……? 知らないうちに2人を邪魔してたかもしれない私が、そんなことする資格なんてない……



 言葉に迷ってる、沈黙の時間が流れる。



 そんな時……




「――相良はそれ知ってて双葉さんに告白仕向けたんだもんね」




 廊下の角からスッと現れたのは、雪崎くん。



 今までの会話、聞いてたのかな? だけど……さっきの会話を聞いてただけじゃ知るはずないことを、なんで……


「それ、ホントなの……? 花恵……?!」
「だって、うちの居場所も、好きな人も……取られたくなかったの」



 確かに、少し感じてた。

 最初、一緒にご飯を食べようって誘った時も、相良さんは少しだけ迷惑そうな表情をした。


 その後、一緒にご飯を食べるようになっても、私とは会話をしようとしない雰囲気は、嫌でも伝わってた。





 あの日、相良さんに応援してるって言われて……少しだけ相良さんを知れたような気がして喜んでた。




 だけど、結局私は邪魔だったんだ……



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