お願いだから、好きって言って。

「もう、近付かない……から。今までごめんなさい……」



 消え入るような声でそう呟き、その場から走り去ろうとすると……



「――待って……ッ!」



 強く私の腕を掴んだのは、相良さんだった。



「うちが勘違いしてたの……双葉さんのこと。……林間学校が終わったら時間作ってもらって謝るつもりだった。こんな言い訳、信じてもらえないと思う……けど」



 さっき相良さんが言ってたのって……私に謝るために……?


「うちのために水買いに行って、喘息の発作が出たって聞いて……。それなのにうちは、双葉さんのこと騙したりして……凄く自分が恥ずかしかったんだ……」




 ポタリと相良さんの涙が床に落ちる。


 相良さん……こんな、私なんかのことで泣いて……



「ごめんなさい……本当に……最悪なことして、酷い嘘ついて……ごめんなさい……」



 相良さんは私の腕から手を離すと、深く頭を下げた。


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