神獣の花嫁〜刻まれし罪の印〜
「……阿呆な仔ほど可愛いものじゃからな。
しっかし、あのこわっぱめ。本当に欲しいものくらい、欲しいと言わんでどうするのだ!」
「ホホホホ……下総の黒いトラ神は、そこまで意気地のない方ではないと、猪子は思いまする」
「だと良いがの」
ふん、と、鼻を鳴らす速男の手の甲を、猪子のふくよかな手がなでさする。
「はい、カカ様」
時空の狭間から戻り、己の為したことを正しかったのかと問う【人間くさい神】を、ねぎらうかのように。
しっかし、あのこわっぱめ。本当に欲しいものくらい、欲しいと言わんでどうするのだ!」
「ホホホホ……下総の黒いトラ神は、そこまで意気地のない方ではないと、猪子は思いまする」
「だと良いがの」
ふん、と、鼻を鳴らす速男の手の甲を、猪子のふくよかな手がなでさする。
「はい、カカ様」
時空の狭間から戻り、己の為したことを正しかったのかと問う【人間くさい神】を、ねぎらうかのように。