ホテル御曹司は虐げられ令嬢に生涯の愛を誓う
このワンピースは先週、私宛に届いた真っ白いワンピースだった。どうしてそのワンピースを持っているのか。
「このワンピースは……」
「あ、あんたの部屋に入ってクローゼットの中を見たらあったのよ」
「私の部屋に入ったのですか?」
誰にもバレないように仕舞ったつもりが部屋の中へと入って見つかってしまった。
でも今の話を聞いていると翔くんからの手紙があることはまだバレていない。
「使用人のあんたがこのワンピースを持ってるのがおかしい。
私が貰ってあげるわ。ありがたく思いなさいよね!」
そんなことを言われてもこのワンピースは私のもの。だから返してもらおうと話そうとしたら継母が話に入り込んできた。
「あら、そのワンピースはパパに買ってもらったの?」
「この使用人が持っていたのだけど似合わないから私がもらったのよ」
「あんたがこんなワンピースを持ってたなんてね」
このワンピースは翔くんが私にプレゼントしてくれた物。
「あの、このワンピースを返してもらえますか。お願いいたします」
「嫌よ。使用人のあんたにワンピースは必要ないでしょ。ママからも何か言ってやってよ」
「ワンピースくらいなくても着られる服があるでしょう」
継母と異母妹からは手を出されたり言葉での暴行と時には一日の食事抜きの生活をしている。