ホテル御曹司は虐げられ令嬢に生涯の愛を誓う

ひどい時にはお母様の悪口を言われて反論をしたいがグッと堪えて我慢をすればいいだけの話。

異母妹から受け取ったワンピースの汚れは私が部屋に届けた後につけられたものだ。

私は毎日衣類に汚れがないかをきちんと余すことなく確認してからそれぞれの部屋に届けている。

部屋で飲みたいと言われて、アフタヌーンティーに用意した飲み物の紅茶だ。

紅茶がこぼれた部分にタオルを当てる。用意した歯ブラシに食器用洗剤を付けてから裏側からやさしく、こすらずにやさしく揉み洗いする。

「やっと落ちた……」

洗濯を回してるうちに厨房で夕飯の支度に取り掛かる。ふと時計に目を向けると時刻は十八時を過ぎたところ。

私は急いで夕食に取り掛かる。私を除いて旦那様、継母と異母妹は十九時ちょうどに夕食を食卓に出す決まりがある。

一分でも遅れて食事を出すと私は三日間の食事抜きになってしまう。

私は料理長からもらったノートを見ながら栄養バランスのよい食事を考える。

白米と具沢山の豚汁。白菜と油揚げのひき肉あんかけ炒め、ほうれん草の胡麻和えを作っていく。

「なんとか間に合った」

すぐに出来上がった食事を食卓の上に並べていると、コツコツとヒールの音が家中に鳴り響く。
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