ホテル御曹司は虐げられ令嬢に生涯の愛を誓う
お見合い話
今日は家の中がいつもより騒がしい。
広いリビングを掃除していると異母妹がリビングのソファーで寛いでいる旦那様のところにやってきたのだ。
「パパ、私にお見合いの話しがきたってほんと!」
「そうだよ、夏果。相手はあの高城ホテルの御曹司だ」
高城ホテル。何度か聞いたことがある名前だ。財閥家の者は会員に入っていて、いつでもホテルへ泊まることができるとお母様から話を聞いたことがある。
(あの、翔くんって高城ホテルの御曹司だったなんて)
そんな御曹司の方が華園家にお見合いの話を持ちかけてくるなんて正直やめた方がいいと私は思う。
理由は一つしかない。もう私が知っている華園財閥ではないからだ。
翔くんはきっと私とのお見合い話だから引き受けたと思うけど、実際の華園財閥のお嬢様は私ではなく異母妹の方になる。
異母妹の夏果は礼儀作法は一つも身に付いていない。
以前に教える機会があり作法を教えようとしたら「必要ないわ」なんて言われてからは私からは何ひとつ教えてない。
お見合いの日は一週間後。
その日は私のお母様の誕生日の七月十三日だった。