ホテル御曹司は虐げられ令嬢に生涯の愛を誓う

***

お見合い話当日ーー。

私はいつもより一時間早く起きては異母妹のヘアメイクをしていた。

「私のお見合い話なんだから綺麗にしてよね」

「かしこまりました」

髪型はサイドの三つ編みにしてからまとめてそこから結んでいく。

異母妹はあのワンピースを着ている。

高城様が家に来る時間は十時。それまでに私は家中の掃除を隅々までしていくと継母に声をかけられた。

「あんた、夏果の邪魔はしないで。お見合いの話が終わるまでは部屋から出てこないでちょうだい」

「はい、かしこまりました」

掃除を終えてから部屋に戻った私は時間を持て余していた。

「今から何をしようかしら」

部屋からでちゃいけないし、休息したらすぐに動けないと何されるかわからない。

「そうだ、料理長からもらったレシピのノートを見ようかな」

まだ作ったことのない料理もある。私の好きな料理、お母様が好きだった料理の作り方を見るだけでも楽しい。
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