ホテル御曹司は虐げられ令嬢に生涯の愛を誓う
「絶対にあんたをあの御曹司には絶対に合わせないようにしてやる」
ボソッと話した継母の言葉を私はうまく聞き取れなかった。
***
お見合いの話があってから二週間が経つ。
そしてあっという間に真夏の八月が始まった。
あの日から私は旦那様、継母と異母妹に話をしても無視をされる毎日が続いた。
継母からの嫌がらせで真っ白なワンピースはハサミでズタズタに切られていて、とてもじゃないけど直しても着られない状態で私の手元に戻ってきた。
毎日欠かさず三食作って用意しても誰も食べることもなく破棄することが増えた。そのため私が食事を作るのをやめてしまったことにも誰も口を出さない。
家で食事を作らない分、三人は毎日楽しく外食を楽しんでいる。
広い家でひとり生活をしているみたいで居心地がいい。あの三人が家を出て行っている間だけ。
お腹が空いたらひとり分の食事を作って食べる。好きな時にお風呂にも入れる。
ひとりで自由に過ごせるのはとても楽だけど、お母様がいた頃の時が恋しい。
あとは寝るだけで今日が終わろうとしていて私は部屋に戻って眠りにつく。
いつものように私は目を覚ました。
ベッドから起き上がろうとしたらうまく起き上がれない。