ホテル御曹司は虐げられ令嬢に生涯の愛を誓う
話の内容は難しくてよくわからなかったけど、お母様とお祖母様が真剣な顔で話し合っていることしかわからなかった。
そして話が終わってお祖母様はお仕事に戻り、すれ違いで男性と私ぐらいの男の子が部屋に入って来た。
私は正座をして少し足が痺れてきた。これ以上、足の痺れを我慢ができなかった私はお母様に申しでる。
「お母様、お庭を散歩してきてもいい?」
「いいけれど、ひとりは危ないから駄目よ。そうね、翔くんと一緒ならいいわよ」
お母様の言葉に男の人は私と同じくらいの男の子に話をしていた。
「翔、沙凪お嬢様のそばに居てくれ」
「はい、父さん」
男の子の名前は翔くんというらしい。私は部屋から出て大きな扉のところまで歩く。座って靴を履いて立ち上がろうとしたら、私の目の前に翔くんが手を差し伸べてきた。
「転けたりしたら危ない。お手をどうぞ」
「あ、ありがとうございます」
何も話さずに庭をゆっくりと散歩をする。