ホテル御曹司は虐げられ令嬢に生涯の愛を誓う

私は作ってくれたご飯が美味しいと感じることができて嬉しく思う。

「デザートをお持ちいたします」

デザートを食べるのっていつぶりだろう。あの家で使用人になってからデザートなんて一つも食べられなかった。

デザートはみかんゼリー。

しかも、みかんゼリーはひとつではなくふたつ。

「デザートは高城様と一緒に食べてください」

三隅が気を利かせて翔くんの分まで用意してくれたのだ。

「私までいただいてもいいのですか?」

「はい。是非、高城様も召し上がってください」

「ありがとうございます」

二人でみかんのゼリーを食べて美味しさに驚いた。私はすぐに美味しいことをノートに書いて翔くんに見せた。

『おいしいね』

「ああ、うまいな」

久しぶりに会ったのにこんなにも一緒にいられるのは初めてかもしれない。

今は声に出せないけれどちゃんと話せるようになったら伝えたいことがある。
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