ホテル御曹司は虐げられ令嬢に生涯の愛を誓う

「それで、どこに向かっているの?」

華園財閥家でも杏華旅館でもない。

「俺の両親に会ってほしいんだ」

「翔くんのご両親に⁉︎」

そう言われて心を落ち着かせる時間もなく着いた場所はなぜか高層マンション。

「ホテル……じゃ、ない?」

「残念ながらホテルじゃないんだな」

高城ホテルは国内で上位に入る大きなホテル会社だ。

私は車から降りて翔くんの後ろをついていくと高層マンションだけあってセキュリティーがしっかりとしている。

私たちはエレベーターに乗り込むと、慣れた手つきでカードキーでエレベーターのボタンを操作している。

翔くんの後ろでひとりドキドキする胸の鼓動が早くなるのを感じた。
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