ホテル御曹司は虐げられ令嬢に生涯の愛を誓う
救いの手紙
私の胸のドキドキがおさまらないないままエレベーターが着いた階は十五階。
エレベーターから降りると目の前が透明なガラス扉で中へ入らなくても外からわかる部屋の広さとその奥に見える外の景色。
華園財閥の家よりも何十倍もの広さに唖然として言葉が出ない。
「ここが俺の実家だよ。ただいま」
私は平常心を装って一歩中へと足を踏み入れる。
「お、お邪魔いたします」
すると私の後ろから聞き覚えのある声で咄嗟に振り返る。
「おかえりなさい」
「お母様ーー」
容姿も声も知っているお母様が私の目の前に立っている。