ホテル御曹司は虐げられ令嬢に生涯の愛を誓う
「不安にさせたな、ごめん。俺は初めて沙凪に出会った時から決めていたんだ」
「な、なにを?」
「最初は沙凪とって決めていたんだ。自分から言うのは恥ずかしいが、さっきのキスは俺も初めてなんだ」
恥ずかしそうに翔くんは話しながら私の頬にそっと触れた。
さっきまでの不安が一瞬にして心のモヤモヤがスーッと消えた。
「今はキスだけで我慢だな」
翔くんは私に言い残して私の部屋へと行ってしまった。
ひとりリビングに残された私は翔くんの言葉の意味を考えた。
「この先のこともことも、いずれあるんだよね……」
自分で発した言葉に私は顔が赤くなっているはずだ。するとリビング越しから翔くんが私の名前を呼んだ。
「沙凪、こっちに来てくれないか?」
「はぁーい!」
私は翔くんのところへ行き一緒に荷解きを始めた。