ホテル御曹司は虐げられ令嬢に生涯の愛を誓う
創立記念日パーティー
今日は高城ホテル創立八十八年目の記念パーティーが行われる。
もちろん、私は翔くんの婚約者として参加をする。パーティー会場の控え室へ入ると三隅がいた。
「三隅、久しぶりね」
「沙凪お嬢様、今日のことは旦那様、奥様からお聞きしておりますのでご安心くださいませ」
「ありがとう」
控え室で翔くんに選んでもらったネイビーのミモレ丈のドレスを身にまとう。七分丈の袖がレース生地になっていて着心地がいい。
三隅にこのドレスに似合う編み込みのヘアアップスタイル。
するとコンコンと扉が叩く音が聞こえた。扉越しから翔くんの声が聞こえた。
「沙凪、行ける準備はできたか?」
「はい、今行きます」
扉を開けるとグレーのスーツを着こなしている姿にドキッとしてしまう。私の姿を見て翔くんはボーッとしている。
「翔くん?」
「ごめん、すごく似合ってる。沙凪の美しさに見惚れてしまった」
翔くんは私の前に手を差し出した。