ホテル御曹司は虐げられ令嬢に生涯の愛を誓う
思い出づくり
創立記念パーティーが終わって数日が経ち、お父様のこと、継母と異母妹のことはあれからどうなったかは知らない。
翔くんのお父様から聞いた話はだと、お母様の預貯金は一年前に全額戻されていた。とのことだった。
華園家の土地と建物の名義は私に変わった。色んなことがあったけど、いい思い出もあるから取り壊すこともせずに残しておくことにした。
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十二月に入ったばかりなのに外はすっかりクリスマスムードになっている。
私は今、翔くんの仕事に同行している。
仕事の邪魔になるようなことはしたくないと話しても翔くんからは「次期社長婦人になる沙凪に近くで俺の仕事を見てもらいたい」と言われた。
翔くんの隣に居られるように私も社交辞令の勉強をしておこう。
出張先は伊豆半島で三泊四日。
私の社交辞令の勉強はすでにお嬢様のときと使用人のときに身に付けていたらしい。
接待でお会いになった社長ご婦人から「可愛くてしっかりしている女性」とお褒めの言葉を頂いたのだ。