ホテル御曹司は虐げられ令嬢に生涯の愛を誓う

私たちの前に置かれたものはちらし寿司。具材は七種類も入って具沢山。

手を合わせてから食べると刺身が一枚一枚分厚くて食べ応えがある。見た目は量が多いのかなと思うけど女性に私でもペロリと食べられてしまう。

お店を出てからは逸れないように手を繋いで下田の街を散歩をする。

冬の風は冷たいけれど、空気が澄んでいる。

「沙凪、寒いからカフェに入ろう」

外の雰囲気に浸れて入った喫茶店は都会にはないレトロなカフェ。

店員に「好きな席へどうぞ」と言われて、私たちは窓側の席へ座った。

お互いにホットコーヒーとホット紅茶にした。店内はオルゴールの曲が流れていてゆっくりと過ごせる。

運ばれてきた飲み物を少しずつ飲んでいく。冷えた体を内側から温めてくれる。

「素敵なところに連れて来てくれてありがとう」

こうしてゆっくりとふたりで時間を過ごすことは大切なんだと感じる。

なんだが仕事の出張で来てることを忘れてしまうくらいに堪能している。
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