ホテル御曹司は虐げられ令嬢に生涯の愛を誓う

下田の街を見ながら私たちはホテルへと向かった。

宿泊専用のエレベーターのボタンを押そうとしたら「こっち」と言われて反対側のエレベーターのボタンを押した。

「このエレベーターはどこに着くの?」

「着いてからのお楽しみだ」

エレベーター内のボタンはひとつしかない。そして階の案内は記載されていない。でも、このエレベーターは上へと上がっている。止まった階に扉が開いた先はホテルの最上階にあるレストランだった。

男性のウェイターの方がエレベーターの前で待っていた。

「お待ちしておりました、高城様。席までご案内いたします」

ウェイターの人に席に案内された場所は真ん中だった。

「飲み物は何にいたしましょうか」

「沙凪、シャンパンは飲めるか?」

「飲めるよ」

お酒は軽く嗜む程度の私はアルコールの飲み物はシャンパン一杯だけにする。
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