ホテル御曹司は虐げられ令嬢に生涯の愛を誓う
私たちの食べるペースで料理コースが次々と運ばれてくる。
前菜はボイルエビとタコとホタテのマリネ。フカヒレのスープ、蟹しゅうまいと野菜包み饅に牛肉と旬の野菜のXO醬炒め。
どれも美味しくてシャンパンとあう。一杯だけにしようと思っていたが料理とあって私はシャンパンを二杯は飲んでいる。
「沙凪、飲み過ぎだ。水を飲んで」
「ありがとう、今体が少し暑いの……」
手作りのバウムクーヘンに生クリームとイチゴが添えられている。
「美味しそう、ね!」
「その笑顔が見られるだけで俺は幸せだな」
バウムクーヘンを食べるのに集中して翔くんの話が聞こえていなかった。
お酒も飲んで美味しい料理を食べた私たちはレストランを出て部屋に戻って来た。私は部屋の窓から一面に見える綺麗な夜景に目を奪われた。
「綺麗……!」
振り向いて翔くんを見ると彼は壁に背を預けて持たれている。
「ああ、綺麗だな」
「ねぇ、こっちに来ないの?」
「行くよ」
ゆっくりと私の後ろにきて翔くんは私を抱きしめた。
「もしかして酔ってる?」
「ずっとこうしたいと思っていたんだ」
翔くんは私を抱きしめたまま気持ちを話してくれた。