ホテル御曹司は虐げられ令嬢に生涯の愛を誓う
翔くんは私よりも先に起きているのに私を抱きしめて離してくれず動けない。
私の左手にはキラリと光る指輪がある。私の左手に翔くんの左手が重なる。
今気づいたけど、翔くんも私のよりシンプルな指輪をしている。
「沙凪、今日婚姻届出しに行かないか?」
「確か、区役所の窓口は閉まる時間が早いから急ごう」
私の言葉で翔くんは私より先に着替えて帰る準備を終えた。私は自分のペースで身支度を済ませる。
早めにホテルをチェックインして私たちの出張は無事に終えた。出張から帰ってきた私たちは婚姻届を書いてそのまま役所に婚姻届を出しに行く。
無事に受理されて私は華園沙凪から高城沙凪へなった。
区役所の帰りに家へ帰ろうと思ったが、どうしても行きたいとこがあった。
「翔くん、行きたいところがあるの」
「いいよ、行こうか。七海さんに報告しに行こう」
私の心の中を知られてちょっと驚いたが、翔くんはちゃんとお母様のことを大切にしてくれている。
『今まで会いにこれなくてごめんね。私、翔くんと幸せになるよ。だから、見守っていてね』
「七海さんに伝えたいことは伝えた?」
「うん!」
手を繋いでいる私たちはここから新たな生活が始まるーー。