ホテル御曹司は虐げられ令嬢に生涯の愛を誓う

吐くものはないのに気持ちが悪い。

気持ち悪いのが少しおさまって動けるようになったのは三隅が迎えに来る三十分前だった。

「沙凪お嬢様、どちらの病院へ行かれますか?」

「産婦人科の病院に」

桝田はいつもより安全運転で私は無意識に三隅の手を握る。三隅は私の手を握り返す。

「楽な体制になってください。病院に着いたら声をかけます」

「ありがとう」

車の中で眠気は来なくてずっと外の景色を眺めていた。

「着きましたよ、沙凪お嬢様」

病院の中へ入ると三隅が受付を済ませてくれて、私は問診票を記入し終えたら紙コップを持ってトイレへ行く。

体がだるく重くてあまり動きたくない。

「ここの病院は高城ホテルと杏華旅館と連携していますので安心してください」

大きなホテル、旅館は病院とも連携しているんだ。

少ししたら看護師さんに「高城さん」と呼ばれて診察室に入る。
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