ホテル御曹司は虐げられ令嬢に生涯の愛を誓う

「天音さん今日、病院へ行ってきました。七週目だそうです」

「おめでとう沙凪ちゃん。もう一つの誕生日プレゼントが決まったみたいね」

「はい」

主人には私から伝えておくわね。と言い天音さんとの電話を終えた。

***

今日の朝も自分のベッドで寝て起きた私は三隅から借りた使用人の服を着て朝食の支度を始める。

いつもの時間に翔くんが寝室から出てきた。

「おはよう、沙凪」

「おはようございます。翔様」

「その服装は一体……」

翔くんは私の姿を見て驚いている。

「今日一日、私が翔様の専属の使用人をさせて頂きます」

「沙凪が俺の使用人に?」

「はい。ただし、車の運転以外のことはお申し付けくださいませ」

今日の私の体は昨日より調子がいい。起きてからまだ一回も吐き気がしない。
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