ホテル御曹司は虐げられ令嬢に生涯の愛を誓う
「本当だ。ごめん、私ちゃんと読めてなかった」
「いいって、沙凪はひとりで頑張っていたんだから。産まれる瞬間に立ち会えてよかった」
「私も、翔くんが居てくれたからすごく心強かった」
私はスヤスヤと腕の中で寝ている我が子を見て思わず笑みがこぼれる。
翔くんは私と産まれたばかりの拓人を抱きしめた。
「ねぇ翔くん、私をママにしてくれてありがとう」
「俺をパパにしてくれてありがとう、沙凪」
あの日、連れられて行った場所で思いもしなかった出会い。
心から彼に出会えて本当に良かったと思っている。
私はお母様のような母親になりたいと思っています。
「拓斗が歩けるようになったら式をあげよう」
「いいの?」
「ああ、だから今はこれで我慢してくれ」
顔を上げてみると大好きな彼と目があい、それからこの幸せを味わうように優しいキスをしてくれた。
この先の幸せは愛する人の隣でずっとーー。
END.