激甘バーテンダーは、昼の顔を見せない。



「西條さん…。ご卒業おめでとうございます…」

「西野です。…東城先生。そう呼ばないで下さい」

「西條さんとは、またどこかで会える気がします。というか、絶対に…会えます」

「何ですか本当に…。私は別に、東城先生と会いたいと思いませんけど」

「今はそう思うだけです。お互い、どこかでまた…巡り合えます…」



モサっとした、少し長めの黒髪。
黒縁の四角い眼鏡。


地味という一言で片付く容姿をした… ◾︎◾︎先生………東◾︎先生……。



東城、先生…。



そう、あの担任。
東城先生は私のことを【西條綾乃】と呼んだ、唯一の人だ———。




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