友梨奈さまの言う通り
『屋上の女子生徒とその取り巻きたちは、ひとつの学校にはとどまらない。学校を転々と渡り歩き、その姿は年も取らない』

これじゃ本当に人間じゃなく、都市伝説の存在みたいだ。

でもこれが案外真相なのかもしれない。
友梨奈たちに関しては家族やその周辺についての情報がなにも出てこなさすぎる。

一時期とはいえ一緒に過ごしたのに、友梨奈がチョコレート好きということしか、私達は知らない。
「友梨奈のことは、もう終わったことだよ」

絵里香はスマホ画面を消して早紀に言った。
「うん。そうだね」

「あれは悪い夢だった。これからは病気を治すことを考えて過ごさなきゃ」
「わかってる」
< 165 / 167 >

この作品をシェア

pagetop