友梨奈さまの言う通り
友梨奈が持っていたチョコレートの箱を落としたのだ。
落ちた衝撃で箱が横倒しになってチョコレートが地面に散らばる。

咄嗟に拾おうと手を伸ばした絵里香の前で、その箱は踏みつけられていた。
グシャッ!

と嫌な音がして箱が潰れる。
絵里香は愕然として顔を上げた。

そこにはニヤついた笑みを浮かべる友梨奈が立っていた。
「たったこれだけの礼で足りると思った?」

低く、威嚇するような声。
振り向くと早希が口を半分開けた状態で硬直してしまっている。

絵里香はすぐに早希の横まで後ずさりをした。
友梨奈の表情は冷たく、さっきまでの笑顔は消えている。
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