友梨奈さまの言う通り
☆☆☆
屋上から逃げるように校舎へ戻ったふたりはしばらく無言で階段を下りた。
そのまま教室へには行かずに購買へ向かう。
途中で振り向いて後方を確認したけれど、詩乃も直斗もついてきていなかった。
購買にはすでに生徒の姿はなくて、おばちゃんが商品の整頓をしていた。
「早希」
絵里香が促すと、早希が頷いておばちゃんに駆け寄っていく。
「ごめんなさい。さっき人が多くてお金を払わずに持って行っちゃったの」
ポケットから財布を取り出して150円を手渡すと、おばちゃんは温厚な笑顔を浮かべて早希の頭をなでた。
まるで子供にするようなことだったけれど、涙が溢れ出してくる。
「あらあら、ちゃんとお金を払ってくれたんだから泣く必要なんてないのにねぇ」
呆れ顔のおばちゃんの言葉に、早希はいつまでも泣き続けていたのだった。
屋上から逃げるように校舎へ戻ったふたりはしばらく無言で階段を下りた。
そのまま教室へには行かずに購買へ向かう。
途中で振り向いて後方を確認したけれど、詩乃も直斗もついてきていなかった。
購買にはすでに生徒の姿はなくて、おばちゃんが商品の整頓をしていた。
「早希」
絵里香が促すと、早希が頷いておばちゃんに駆け寄っていく。
「ごめんなさい。さっき人が多くてお金を払わずに持って行っちゃったの」
ポケットから財布を取り出して150円を手渡すと、おばちゃんは温厚な笑顔を浮かべて早希の頭をなでた。
まるで子供にするようなことだったけれど、涙が溢れ出してくる。
「あらあら、ちゃんとお金を払ってくれたんだから泣く必要なんてないのにねぇ」
呆れ顔のおばちゃんの言葉に、早希はいつまでも泣き続けていたのだった。