【短】こんな今日も、悪くない。




「すればいーよ。その責めくらいは聞く」


「すごい怒るよ…?ふざけんなって言うよ……?」


「うん。でもそのあと、たぶんスッキリしてるだろうから」



まるで経験者みたいに言うんだね高瀬。

ごしっと涙を拭って、不安ながらも私はうなずいた。



「部活……、行ってくる」


「……待ってる」


「え…?」


「終わるまで。ここで。…だからせめて1コでも、自分の気持ち言ってきたら」



おれ傘ないから困る───とか言って。



「……高瀬ってさ、髪サラサラできれいだよね」


「………どうも」



いいな…。
こんなに湿気があってもストレート。

高瀬にいちばん似合うのって、もしかすると雨なのかもしれない。



「ちょっとだけ触ってもいい…?前から思ってたの」


「っ!……はず」



気持ち、さっそく2コは言ってみた。



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