【短】こんな今日も、悪くない。
『中学のときも高瀬って基本ひとりだったじゃん。だからちょっと心配してるんだよね~、私』
『小野(おの)さんこそ友達、今までひとりもいないじゃん』
核心を突かれたあの感じ。
私の周りにいる人間は友達ではないと、正解が与えられたんだ。
休みの日にお出かけに誘われたことなんかない。
グループに入れはしても私なんかただのピエロのようなもので、笑いと空気づくり担当。
ヘラヘラ笑っていれば嫌われない武器を自ら作っておいて、取り外せないジレンマに心が死んでゆく。
「そろそろ笑顔、キツくなってきたんでしょ」
拭っても拭っても止まらないから、もうさらけ出すことにした。
どうぞ好きなだけ見てくださいって。
恩着せがましくて図々しいことばっかした結果の成れの果てです、って。
「いつガタくるだろうなって、ずっと見てた」
「最低じゃん…っ」
「最低なのは小野さんといつもつるんでる奴らだろ」