エリート消防士は揺るがぬ熱情で一途愛を貫く~3か月限定の妻なのに愛し囲われました~
晴馬は彼に自分のことを〝同棲中の恋人〟と説明しているようだったので、美月も話を合わせておく。
「ご連絡いただき、ありがとうございます。それで、彼は?」
会釈を返すとすぐに、美月は尋ねた。
「背中に火傷を負いましたが、入院の必要はないようです。もうすぐ戻ってくると思いますよ」
診察室の方向に目を走らせながら、伊沢が答えた。
その言葉に美月は胸を撫でおろす。入院が不要ということは深刻な怪我ではなかったということだろう。伊沢の説明によると、晴馬は火災現場で避難誘導を行っていた際に、燃え落ちてきた天井につぶされかけてしまったそうだ。
「そんなことが……。あの、消防士さんは防火服を着ていますよね? それでも火傷を負ったりするものなんでしょうか」
「我々レスキューが向かうのは、被害状況がより深刻な現場ですから。防火服も万能ではありません……」
防火服は水に濡れたりすると、燃えやすくなってしまうそうだ。でも、晴馬たちは消火活動も行うので完全に水を避けるのは難しい。結果、消防士自身も火傷を負うことはよくあるそうだ。伊沢は少し厳しい顔で続ける。
「消防士の殉職率は自衛官についで高い、とも言われています。大怪我や死が隣り合わせの職業です」
「……殉職」
「ご連絡いただき、ありがとうございます。それで、彼は?」
会釈を返すとすぐに、美月は尋ねた。
「背中に火傷を負いましたが、入院の必要はないようです。もうすぐ戻ってくると思いますよ」
診察室の方向に目を走らせながら、伊沢が答えた。
その言葉に美月は胸を撫でおろす。入院が不要ということは深刻な怪我ではなかったということだろう。伊沢の説明によると、晴馬は火災現場で避難誘導を行っていた際に、燃え落ちてきた天井につぶされかけてしまったそうだ。
「そんなことが……。あの、消防士さんは防火服を着ていますよね? それでも火傷を負ったりするものなんでしょうか」
「我々レスキューが向かうのは、被害状況がより深刻な現場ですから。防火服も万能ではありません……」
防火服は水に濡れたりすると、燃えやすくなってしまうそうだ。でも、晴馬たちは消火活動も行うので完全に水を避けるのは難しい。結果、消防士自身も火傷を負うことはよくあるそうだ。伊沢は少し厳しい顔で続ける。
「消防士の殉職率は自衛官についで高い、とも言われています。大怪我や死が隣り合わせの職業です」
「……殉職」