エリート消防士は揺るがぬ熱情で一途愛を貫く~3か月限定の妻なのに愛し囲われました~
最後に名前の部屋番号を確認し、部屋に戻る女性を見送った。あきらかにこちらの不手際だったので焦ったが、なんとかなったようだ。美月はホッと胸を撫でおろしたあとで、由奈に向き直る。
「本間さん、ちょっとだけいいかしら?」
お客さまの通らないバックヤードの階段のところで、彼女に注意をする。
「駅前の靴修理店が閉店したことは情報共有してあったと思うんだけど」
「あ~、そういえば聞いたような……聞いていないような……」
反省する気もなさそうに、彼女は自分の爪をもてあそんでいる。
「それに、今回みたいに時間にリミットのあるお客さまなら店に対応可能かどうか確認したほうがいいわ。夕食までに間に合わなかったら大変でしょう?」
「は~い」
どことなく不満げに返事をしたあと、彼女はそっと自身のおなかに視線を落とす。
「でもぉ……あんまり仕事を抱えると、おなかの子に悪影響かなぁって心配で。私と赤ちゃんになにかあったら、省吾さんが悲しみますし」
勝ち誇ったような彼女の笑みからにじむマウント。それに気づかないほど、美月は鈍感ではない。自分の顔が引きつるのを実感しながら、怒りを抑えてどうにか告げる。
「そうね。身体は大事にしてください。なら今度から、こういう質問は私たちコンシェルジュデスクを頼ってもらっても大丈夫だから。お客さまにご迷惑をかけることは一番してはいけないことよ」
「本間さん、ちょっとだけいいかしら?」
お客さまの通らないバックヤードの階段のところで、彼女に注意をする。
「駅前の靴修理店が閉店したことは情報共有してあったと思うんだけど」
「あ~、そういえば聞いたような……聞いていないような……」
反省する気もなさそうに、彼女は自分の爪をもてあそんでいる。
「それに、今回みたいに時間にリミットのあるお客さまなら店に対応可能かどうか確認したほうがいいわ。夕食までに間に合わなかったら大変でしょう?」
「は~い」
どことなく不満げに返事をしたあと、彼女はそっと自身のおなかに視線を落とす。
「でもぉ……あんまり仕事を抱えると、おなかの子に悪影響かなぁって心配で。私と赤ちゃんになにかあったら、省吾さんが悲しみますし」
勝ち誇ったような彼女の笑みからにじむマウント。それに気づかないほど、美月は鈍感ではない。自分の顔が引きつるのを実感しながら、怒りを抑えてどうにか告げる。
「そうね。身体は大事にしてください。なら今度から、こういう質問は私たちコンシェルジュデスクを頼ってもらっても大丈夫だから。お客さまにご迷惑をかけることは一番してはいけないことよ」