エリート消防士は揺るがぬ熱情で一途愛を貫く~3か月限定の妻なのに愛し囲われました~
善次郎も彼の友人も爆発が起きた時刻には、美月の紹介した歌舞伎の劇場にいたそうで巻き込まれることはなかった。
「あっ」
ふと思い出して、美月は小さく声をあげる。
「どうした?」
「そういえば、晴馬に謝らないといけないことが……」
あの日、善次郎と交わした会話をまだ晴馬には伝えていなかったことを思い出したのだ。雇われ妻契約の件を、善次郎に知られてしまったことを説明する。
良心の呵責にさいなまれて自ら打ち明けようとしたこと、そうしたら逆に『知っている』と言われてしまったこと。晴馬は意外にも驚かなかった。
「やっぱりそうだったか」
かなわないなと言いたげな顔で晴馬は笑う。
「そんな気はしてた」
「今思えば『知ってるの?』って感じの発言が多かったよね」
これまでの善次郎の言動を思い返してみる。核心を突くような発言にドキリとさせられたことが何度もあった。
「結婚が嘘なことも、俺が美月を好きなことも……全部お見通しだったわけか。結局、俺が手玉に取れるような人じゃなかったな」
美月はクスリと頬を緩める。善次郎はかなり手強そうだし、晴馬がやり合えるようになる日は遠い気がした。
「でも、おじいさまに励まされて私は晴馬と向き合う勇気を持てたんだよ。ほかに好きな女性がいるのなら……告白しても無駄だってネガティブになってたけど」
「ん? ほかに好きな女性?」
「あっ」
ふと思い出して、美月は小さく声をあげる。
「どうした?」
「そういえば、晴馬に謝らないといけないことが……」
あの日、善次郎と交わした会話をまだ晴馬には伝えていなかったことを思い出したのだ。雇われ妻契約の件を、善次郎に知られてしまったことを説明する。
良心の呵責にさいなまれて自ら打ち明けようとしたこと、そうしたら逆に『知っている』と言われてしまったこと。晴馬は意外にも驚かなかった。
「やっぱりそうだったか」
かなわないなと言いたげな顔で晴馬は笑う。
「そんな気はしてた」
「今思えば『知ってるの?』って感じの発言が多かったよね」
これまでの善次郎の言動を思い返してみる。核心を突くような発言にドキリとさせられたことが何度もあった。
「結婚が嘘なことも、俺が美月を好きなことも……全部お見通しだったわけか。結局、俺が手玉に取れるような人じゃなかったな」
美月はクスリと頬を緩める。善次郎はかなり手強そうだし、晴馬がやり合えるようになる日は遠い気がした。
「でも、おじいさまに励まされて私は晴馬と向き合う勇気を持てたんだよ。ほかに好きな女性がいるのなら……告白しても無駄だってネガティブになってたけど」
「ん? ほかに好きな女性?」