エリート消防士は揺るがぬ熱情で一途愛を貫く~3か月限定の妻なのに愛し囲われました~
「……そうなの? かなわないと思ったライバルが自分自身とは、さすがに想像してなかったよ」

 ちょっと馬鹿みたいだなと思いつつも、晴馬の言葉は素直に嬉しかった。

「晴馬と再会できて本当に幸せ。好きになってくれて、ありがとう。これからもよろしくね」

 照れながらも言葉にすると、晴馬の耳がほんのりと赤く染まった。

 美月は淡いラベンダーカラーのロングドレスに、シルバーの靴とバッグ。ドレスの上半身は総レースでゴージャスなので髪はシンプルな夜会巻きに。メイクは華やかなローズカラーのリップを主役に仕上げた。

 晴馬はドレスライクな艶感のあるブラックスーツにシルバーストライプのネクタイ。しっかりと筋肉のついた身体に、シックなスーツは本当によく似合う。 

 凛々しい横顔に、胸が高鳴る。

(か、かっこよすぎる!)

「そろそろ行こうか?」
「うん」

 こんなにも素敵な人にエスコートされて参加するパーティー、楽しい予感に美月は頬を緩ませた。
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