エリート消防士は揺るがぬ熱情で一途愛を貫く~3か月限定の妻なのに愛し囲われました~
ゆうべ美月を助けてくれたヒーローである彼――北原晴馬がカウンターキッチンの奥からこちらを振り返った。
「いえいえ。もうすっかり元気です。その、泊めてもらったみたいで……」
詳細はよくわからないけれど、ここは彼の家で、自分がひと晩世話になったことは確実のようだ。
「あぁ。住所も誰に連絡したらいいのかもわかんなかったから、うちに連れてきちゃったけど、まずかった?」
美月はふるふると首を横に振る。省吾とは間違いなく終わっているので美月のほうは問題ない。だが、彼はどうなのだろう。いや、考えるまでもなく迷惑をかけまくっている状況だろう。
「はい、お待たせ。ミルクと砂糖は入れる?」
晴馬は白と黒のマグカップに入ったホットコーヒーを運んできてくれて、白いほうを美月に差し出した。
「ありがとうございます。えっと、ミルクは欲しい……です」
「了解。というか、なんで敬語? 昔は『晴馬~』って呼び捨てにしてただろ」
クスリと楽しげに彼は笑う。
(あ、やっぱりちゃんと覚えていてくれてる)
そう、彼と美月は初対面ではない。同じ小学校に通っていた同級生だ。
(私が転校したのが小三のときだったから……二十年ぶりってこと?)
「そうだけど。久しぶりすぎて、さすがに昔とまったく同じってわけには……」
「いえいえ。もうすっかり元気です。その、泊めてもらったみたいで……」
詳細はよくわからないけれど、ここは彼の家で、自分がひと晩世話になったことは確実のようだ。
「あぁ。住所も誰に連絡したらいいのかもわかんなかったから、うちに連れてきちゃったけど、まずかった?」
美月はふるふると首を横に振る。省吾とは間違いなく終わっているので美月のほうは問題ない。だが、彼はどうなのだろう。いや、考えるまでもなく迷惑をかけまくっている状況だろう。
「はい、お待たせ。ミルクと砂糖は入れる?」
晴馬は白と黒のマグカップに入ったホットコーヒーを運んできてくれて、白いほうを美月に差し出した。
「ありがとうございます。えっと、ミルクは欲しい……です」
「了解。というか、なんで敬語? 昔は『晴馬~』って呼び捨てにしてただろ」
クスリと楽しげに彼は笑う。
(あ、やっぱりちゃんと覚えていてくれてる)
そう、彼と美月は初対面ではない。同じ小学校に通っていた同級生だ。
(私が転校したのが小三のときだったから……二十年ぶりってこと?)
「そうだけど。久しぶりすぎて、さすがに昔とまったく同じってわけには……」