エリート消防士は揺るがぬ熱情で一途愛を貫く~3か月限定の妻なのに愛し囲われました~
「あぁ。ゆうべの俺たちのことか」
妙な艶を含んだ瞳で彼はニヤリとする。
「一緒に寝たよ。……ひとつ屋根の下でね」
「え、えぇ?」
美月は思わずガタンと椅子から立ちあがりかけたが、ぷはっと噴き出した晴馬の笑い声で我に返る。
(ひとつ屋根の下……はわかっていたことじゃない。完全にからかわれてる)
美月ににらまれた彼は、両手をあげて降参のポーズを作ってみせた。
「冗談だよ、冗談。ベッドに寝かせただけで、それ以外は一切触れてません」
「し、信じていいのよね?」
「誓うよ」
美月はホッとして、中途半端な位置にあったお尻をもう一度椅子に落ち着ける。
「というか」
肩をすくめて晴馬がぼやく。
「疑われたこと自体が心外だな。俺、気を失った人間になにかするような極悪な男だと思われてるのか?」
美月の脳内に少年時代の彼がポンと飛び出してきた。お金持ちのお坊ちゃんで、勉強も運動も一番。そのせいか、いつもちょっと偉そうだったけれど……仲間思いで、弱い者いじめは絶対にしない熱い男だった。
「一緒の部屋にいたのは、美月の体調が急に悪化しないか心配だったからだ」
彼は自然に、当時と同じように『美月』と呼ぶ。
「……そうだよね、ごめん」
「わかればよろしい」
晴馬がスプーンに手を伸ばしたので、美月もそれにならう。
甘いケチャップ味のオムライス。懐かしくて、とてもおいしい。
妙な艶を含んだ瞳で彼はニヤリとする。
「一緒に寝たよ。……ひとつ屋根の下でね」
「え、えぇ?」
美月は思わずガタンと椅子から立ちあがりかけたが、ぷはっと噴き出した晴馬の笑い声で我に返る。
(ひとつ屋根の下……はわかっていたことじゃない。完全にからかわれてる)
美月ににらまれた彼は、両手をあげて降参のポーズを作ってみせた。
「冗談だよ、冗談。ベッドに寝かせただけで、それ以外は一切触れてません」
「し、信じていいのよね?」
「誓うよ」
美月はホッとして、中途半端な位置にあったお尻をもう一度椅子に落ち着ける。
「というか」
肩をすくめて晴馬がぼやく。
「疑われたこと自体が心外だな。俺、気を失った人間になにかするような極悪な男だと思われてるのか?」
美月の脳内に少年時代の彼がポンと飛び出してきた。お金持ちのお坊ちゃんで、勉強も運動も一番。そのせいか、いつもちょっと偉そうだったけれど……仲間思いで、弱い者いじめは絶対にしない熱い男だった。
「一緒の部屋にいたのは、美月の体調が急に悪化しないか心配だったからだ」
彼は自然に、当時と同じように『美月』と呼ぶ。
「……そうだよね、ごめん」
「わかればよろしい」
晴馬がスプーンに手を伸ばしたので、美月もそれにならう。
甘いケチャップ味のオムライス。懐かしくて、とてもおいしい。