エリート消防士は揺るがぬ熱情で一途愛を貫く~3か月限定の妻なのに愛し囲われました~
「そうだね~。横浜も懐かしいな。最近は全然行ってないや」
晴馬と違い、美月はもう横浜に家族が残っているわけではないので行く機会も減ってしまった。
「仕事、ホテル勤務って言ってたよな? どんな仕事をするんだ?」
「ホテルの仕事は宿泊部とか宴会部とか、いくつかの部門に分かれているんだけどね。私は宿泊部で、コンシェルジュデスクの担当」
「コンシェルジュか。うちのマンションにもいるけど、仕事内容は似た感じ?」
「うん。お客さまの相談にのって、満足度を高めるって点では同じかな」
業界は違うけれど、共通する部分は多いと思う。
「大変そうな仕事だよな。うちのマンションのコンシェルジュも、わりと入れ替わりが激しい気がするし」
「向き不向きはあるかもね」
「場所は? なんてホテル?」
晴馬に聞かれて、美月は少し回答に困った。だが、別に隠すことでもないと思い直して正直に伝える。
「お台場にある帝都グランデホテルに勤めているんだけど……事情があって退職することにしたんだ。ホテリエの仕事は大好きだから、同じ業界で転職するつもり」
「……帝都グランデ、か」
ほんの一瞬、晴馬の表情が険しくなったように思った。
(帝都グランデに、なにかあるの?)
少し気になったけれど、彼はすぐに明るい笑顔を取り戻したので詮索はしなかった。
晴馬と違い、美月はもう横浜に家族が残っているわけではないので行く機会も減ってしまった。
「仕事、ホテル勤務って言ってたよな? どんな仕事をするんだ?」
「ホテルの仕事は宿泊部とか宴会部とか、いくつかの部門に分かれているんだけどね。私は宿泊部で、コンシェルジュデスクの担当」
「コンシェルジュか。うちのマンションにもいるけど、仕事内容は似た感じ?」
「うん。お客さまの相談にのって、満足度を高めるって点では同じかな」
業界は違うけれど、共通する部分は多いと思う。
「大変そうな仕事だよな。うちのマンションのコンシェルジュも、わりと入れ替わりが激しい気がするし」
「向き不向きはあるかもね」
「場所は? なんてホテル?」
晴馬に聞かれて、美月は少し回答に困った。だが、別に隠すことでもないと思い直して正直に伝える。
「お台場にある帝都グランデホテルに勤めているんだけど……事情があって退職することにしたんだ。ホテリエの仕事は大好きだから、同じ業界で転職するつもり」
「……帝都グランデ、か」
ほんの一瞬、晴馬の表情が険しくなったように思った。
(帝都グランデに、なにかあるの?)
少し気になったけれど、彼はすぐに明るい笑顔を取り戻したので詮索はしなかった。