エリート消防士は揺るがぬ熱情で一途愛を貫く~3か月限定の妻なのに愛し囲われました~
 瓦礫の下から助け出される被災者の様子などは美月もニュースで目にしていた。彼の肉体は、ああいった場所で人の命を救うために鍛えあげられているのか。

「このレスキュー隊も色々種類があってね。俺は航空消防(こうくうしょうぼう)救助機動部隊(きゅうじょきどうぶたい)、エアハイパーレスキューと呼ばれるところに所属している」

(エア? ハイパー?)

 だんだんと話が専門的になってきて、美月の理解はいまいち追いついていない。

「東京ヘリポートは知ってる?」
「うん。それはわかる。新木場にあるヘリコプターの空港だよね?」

 観光用のヘリクルージングがそこから飛んでいる。ロマンティックなデートを望むカップルや、外国人観光客にも人気があるので美月も観光プランのひとつとして提案することが多い。

「そう。俺たちエアハイパーレスキューはそこを拠点として、ヘリで空からの救助活動を行うんだ」
「ヘリに乗るの?」
「そうだよ」

 言われてみれば、消防署のヘリを見たことがあるような気もするが……。

「へぇ。晴馬は空飛ぶ消防士さんなんだね」

 美月の言葉に彼はぷっと噴き出した。

「そんなふうに言われると、自分がすごくかっこよくなった気がするな。実際は汗と泥にまみれてるけど」
「人命のために汗を流せる人は立派だよ」
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