エリート消防士は揺るがぬ熱情で一途愛を貫く~3か月限定の妻なのに愛し囲われました~
(妻の手料理というより、子どもの初料理って感じだけど……大事なのは気持ちよね!)

 グツグツとじっくり煮込んだカレーのいい匂いが漂いはじめた頃、起きてきた晴馬がリビングに顔を出した。

「おはよう。でいいのかな?」

 美月が笑うと、彼もほほ笑んでくれる。

「消防士の寮では、何時でも寝起きのやつには『おはよう』だったな」
「そうなんだ。じゃあ私もマネさせてもらうね」

 キッチンに入ってきた晴馬が美月のかき混ぜている鍋をのぞく。

「お、カレーだ。俺も食べていいの?」
「もちろん。おなか空いてる? あ、寝起きにカレーは重かったかな?」

 美月は夕食を作るつもりでいたけど、彼からしたら朝食に近いのだろうか。普段どんな食事をとっているのか、ちゃんと確認しておけばよかった。わかりやすくシュンとなった美月に、晴馬は優しい声をかける。

「朝までよく働いたし、腹減ってるからカレー嬉しいよ。さっそくもらっていい?」
「うん」

 当たり前のように、彼は配膳を手伝ってくれる。

「冷蔵庫に缶ビールとか入ってるよ。飲む?」
「晴馬は? もし飲むなら、一緒に一杯だけもらおうかな」
「ごめん、俺は非番の日は飲まないようにしてるんだ。呼び出しがかかる可能性があるから」
「そっか、大変だね。じゃあ今夜は私もやめておく」
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