エリート消防士は揺るがぬ熱情で一途愛を貫く~3か月限定の妻なのに愛し囲われました~
三章 夫婦のレッスン
三章 夫婦のレッスン


 季節は八月に入った。今日はいよいよ晴馬の祖父と対面する日。

「待ち合わせは空港近くのホテルだったよね?」

 ダイニングで一緒に朝食をとりながら、美月は晴馬に確認する。晴馬の祖父はゆうべのうちに日本に到着していると聞いていた。

「そう。夜遅い便だったから、ゆうべは羽田空港近くにホテルを取ったようだ。迎えついでに、そこで一緒にランチをする約束をしている」
「あれ、成田じゃなくて羽田なの?」

 海外からなので勝手に成田だと思い込んでいた。

「あぁ、ドバイから羽田は直行便があるそうだよ」
「へぇ」

 美月はカナダ暮らしが長かったけれど、とくに海外通というわけでもないので知らなかった。晴馬はリビングの壁掛け時計に目を走らせる。

「車ならすぐだし、そんなに急ぐ必要もないが……じいさんは早起きで、せっかちだしな。少し早めに出てもいいか?」
「もちろん。いつでも出発できるよ」

 今日は朝から気合いを入れて、いいお嫁さん風コーディネートもばっちりのつもりだった。メイクはナチュラルに、ヘアスタイルは上品なハーフアップで毛先をワンカール。洋服は手持ちのワードローブのなかで一番清楚な白いシャツワンピースだ。
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