【短編】虹色に願う放課後
「ねぇ、本当に大丈夫?」

「もー、心配性だなぁ。遊具とベンチしかないから大丈夫だよ」



ひょいひょいと水たまりを避けて、学校裏の住宅街へ。


彩雲探しに誘われて10日が経過。

今日は曇りなので外で観察することに。


昨日の今日だから、せめてもう3日ほど待ってほしかったんだけど……『来週はテスト前の期間だから、時間に余裕があるうちに観察したい』と子犬の眼差しで言われて、またも断れず。


まぁ、休日もずっと室内だったし、たまには外の空気も吸いたいよね。でも本音はまだちょっと怖い。


しばらく歩いていると、公園の看板が見えてきた。

小さな砂場と少し錆びれた滑り台。その間に古びた木製のベンチが置かれている。


ふむ、確かに木はないわね。なら一安心かな。



「茂ってるね〜。あのへんカエル住みついてそうじゃない? 水溜まってるとこ」

「はいはい、無駄話はいいから。時間なくなるよ」



早く行けと言わんばかりに背中を押した。

七瀬くんの後に続き、プチジャングル状態の入口を手持ちの傘で倒して中に入る。
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