【短編】虹色に願う放課後
「へぇ〜! 珍しい! 持ってるね~。やっぱ俺の目に狂いはなかった」
「なにそれ。七瀬くんは?」
「いっぱいあるけど、1番面白かったのは渦巻きかなー」
「こんな感じで〜」と指先をくるくる回している。
「……それ、台風の目じゃなくて?」
「違うよ。う……すごく美味しそうなソフトクリームで〜」
「……本当に?」
「本当だよっ。去年クラスメイトと遊んだ時に見てゲラゲラ笑い合ったから。みんなで写真も撮ったし」
「余計な情報を出すな。小学生男子かっ」
早口でツッコミを入れ、はぁ、と溜め息を漏らす。
その様子だと、男子には真の姿をさらけ出してるみたいね。
……ってことは、私は同じクラスの男子扱い?
まぁまぁまぁ、確かに学校の王子様だけど、それはファンの夢を壊さないように演じてるってだけで、そうではない人には素を見せているかもしれない。
遊びに行ってる時点で仲は良好だから、教室で一言も話さないわけではないだろうし。
クラスの女子も、薄々気づいてたりして──。
「八雲さん! 見て見て! おっきい犬がいる!」
「なにそれ。七瀬くんは?」
「いっぱいあるけど、1番面白かったのは渦巻きかなー」
「こんな感じで〜」と指先をくるくる回している。
「……それ、台風の目じゃなくて?」
「違うよ。う……すごく美味しそうなソフトクリームで〜」
「……本当に?」
「本当だよっ。去年クラスメイトと遊んだ時に見てゲラゲラ笑い合ったから。みんなで写真も撮ったし」
「余計な情報を出すな。小学生男子かっ」
早口でツッコミを入れ、はぁ、と溜め息を漏らす。
その様子だと、男子には真の姿をさらけ出してるみたいね。
……ってことは、私は同じクラスの男子扱い?
まぁまぁまぁ、確かに学校の王子様だけど、それはファンの夢を壊さないように演じてるってだけで、そうではない人には素を見せているかもしれない。
遊びに行ってる時点で仲は良好だから、教室で一言も話さないわけではないだろうし。
クラスの女子も、薄々気づいてたりして──。
「八雲さん! 見て見て! おっきい犬がいる!」