【短編】虹色に願う放課後
「あーあ、やくもんのせいで狂犬になった」
「いやそれこっちのセリフ。ななせんのせいで凶暴になった」
「は? ななせん?」
「そうよ。私がやくもんなら、あなたはななせん」
「はー? それだと数字じゃん。ぬ足してななせんぬって呼んでよ」
「1人だけオシャレに言い換えないでよ。そもそもあんた日本人でしょ」
今度はあだ名で口論。
ハッと我に返って見上げた時には、熊か犬か判別できないほどに崩壊していた。
・
・
「じいちゃんとばあちゃんちに、ピー太って犬がいたんだよ。真っ白でモフモフしてて超おっきくて。あ、これこれ」
来た道を戻りながら写真を見せてもらう。
お座りする白い犬の隣に、幼い七瀬くんが膝立ちして笑顔を浮かべている。
確かに白くてモフモフ。あとすごいよだれ垂れてる。カメラの近くにおやつでもあったのかな。
「可愛い。けど、画質悪いね」
「しょうがないよ、じいちゃんのケータイで撮ったやつだから。もう10年以上も前のだし」
「いやそれこっちのセリフ。ななせんのせいで凶暴になった」
「は? ななせん?」
「そうよ。私がやくもんなら、あなたはななせん」
「はー? それだと数字じゃん。ぬ足してななせんぬって呼んでよ」
「1人だけオシャレに言い換えないでよ。そもそもあんた日本人でしょ」
今度はあだ名で口論。
ハッと我に返って見上げた時には、熊か犬か判別できないほどに崩壊していた。
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「じいちゃんとばあちゃんちに、ピー太って犬がいたんだよ。真っ白でモフモフしてて超おっきくて。あ、これこれ」
来た道を戻りながら写真を見せてもらう。
お座りする白い犬の隣に、幼い七瀬くんが膝立ちして笑顔を浮かべている。
確かに白くてモフモフ。あとすごいよだれ垂れてる。カメラの近くにおやつでもあったのかな。
「可愛い。けど、画質悪いね」
「しょうがないよ、じいちゃんのケータイで撮ったやつだから。もう10年以上も前のだし」