【短編】虹色に願う放課後
あぁ、本当に終わったんだな。
せめて最後に試験の手応えを聞きたかったな。
そんなある日、いつものように図書室を訪れたら──。
「ねぇ聞いた? 七瀬くんの転校の話」
「聞いた。県外に引っ越すんだってね」
人づてに、君が転校することを知った。
テストが終わって5日が経った頃。
梅雨明け初日、日射しが眩しい快晴の日だった。
・
・
「──どういうこと?」
「どういうことって、噂の通りだよ」
その日の放課後。
彼のクラスの下駄箱で待ち伏せし、校舎裏に連れ込んで問い詰める。
「図書室に来なかったのは、手続きと荷造りで忙しかったから」
「じゃあ、黙ってたのは?」
「……いきなり知らされたから。どう切り出そうかって、ずっと考えてた。秘密にしてたわけじゃないよ」
せめて最後に試験の手応えを聞きたかったな。
そんなある日、いつものように図書室を訪れたら──。
「ねぇ聞いた? 七瀬くんの転校の話」
「聞いた。県外に引っ越すんだってね」
人づてに、君が転校することを知った。
テストが終わって5日が経った頃。
梅雨明け初日、日射しが眩しい快晴の日だった。
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「──どういうこと?」
「どういうことって、噂の通りだよ」
その日の放課後。
彼のクラスの下駄箱で待ち伏せし、校舎裏に連れ込んで問い詰める。
「図書室に来なかったのは、手続きと荷造りで忙しかったから」
「じゃあ、黙ってたのは?」
「……いきなり知らされたから。どう切り出そうかって、ずっと考えてた。秘密にしてたわけじゃないよ」