【短編】虹色に願う放課後
ハッキリと言い切られた言葉が胸に突き刺さり、ズキズキと痛む。

じゃあ、あの時もの悲しげだったのは……。



「でももういいんだ。願いが叶ったから」

「え、叶ったって……」

「『みんなの願いが叶いますように』って願い」



その瞬間、ドクンと、胸のあたりから嫌な音がした。



「お父さんは大好きな仕事に専念できるようになって、お母さんは念願だった新店舗のリーダーに抜擢された。じいちゃんとばあちゃんも、最愛の娘と孫と暮らすことになったと聞いて大喜び。ほら、全部叶ったでしょ?」



得意げに話しているけれど、全く温もりが感じられない。

オタトークよりも口調はゆっくりなのに、全然嬉しさが伝わってこない。



「ちょっと待ってよ……夢の中でピー太をモフりたいんじゃなかったの?」

「まぁ……それもあるけど、ずっとずっと願ってたことだから」



嫌な予感が的中し、冷や汗が額を流れる。


七瀬くん、私はあなたの家族のために毎日時間を使ったわけじゃないよ。


ヤマが当たってほしいなとか、いい点取ってお小遣いもらえたらいいなとか。

七瀬くん自身に幸運が舞い込むために使ってたんだよ。
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