殺せない君に花束を

今宵の舞

とある裏社会組織本部_


「うッ…?!」

全く見えなかった。
気づいたときにはもう腹から止めどなく血が溢れていた。

知らぬ間に一人、また一人と倒れていく。

下っ端の俺たちなんか相手にならない。
「ソイツ」はあっという間にボスの元へ向かうのだ。


ボスが殺られるのは俺たちなんかよりも全然早かった。

「遊びにもならねーな」

その声、この早さ。
心当たりがあった。

最恐と呼ばれる殺し屋。

確か名前は…

「あぁ、お兄さん。まだ生きてたんだ。最期に教えてあげるよ。僕の名前は_」
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