我が家のゆうちゃん

伝説の幕開け

我が家の兄『ゆうちゃん』は、私が生まれた時から、いい意味でも悪い意味でも変わり者だった。

あれは、珍しく台風が直撃した日だった。


『ゆうちゃん!お外は、危ないよ!』

母の慌てた声が響き渡る。

『えー!やだぁ!』

本人は、帰らない。その時だった。


『わぁ!』

『ゆうちゃん!』


ゆうちゃんは、のぼった岩から落ちたのだ!
母の慌てた声が響いた。

家族が慌てて、病院へ連れていき、針縫うだけで終わるという不幸中の幸いだった。

『もう!だから、言ったでしょ!罰当たったんよ!』


母の剣幕を前にしてもゆうちゃんは、へらへら。
これがゆうちゃん伝説の始まりだ。


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